車検ステッカー貼り付け位置変更 2023年7月3日から 自動車検査標章について

オートランド東京

自動車検査標章、車検ステッカーとは

国土交通省は道路運送車両法により定められている車検ステッカー、正確には自動車検査標章の貼り付け位置について定めた内容を変更する事となりました。
車検ステッカーはお車を所有された方は必ず見た事があるかと思いますが、国が定める法定車検検査を完了した時に発行されます。
そして、その発行されたステッカーをその自動車に貼り付ける必要があります。
今回はこのステッカーの定められた貼り付け位置が変更となります。

中古車、廃車の買取りお引取りを多く行っていますと、車検ステッカーを貼らずに車検証ファイルへ入れたままの方もたまに見かけます。これは道路運送車両法第66条違反となりますのでご注意ください。

車検ステッカーにはその車の車検有効期間が満了する日が表記されています。
これにより、使用者が車検期間を把握でき、また外からも車検が適正に取得された自動車か確認行えます。
表記は表面、裏面で異なります。
裏面(車内から見る側)には車検有効期間満了の年月日の詳細情報が記載されますが、表面(車外から見る側)には年月のみの記載となり、特に「月」が大きく表記されています。
これは外部からその自動車の車検が切れていないかを確認し易くする為のものです。

※国土交通省資料より

また、2004年以前のステッカーデザインは現在のものと異なるものでした。
サイズは今のステッカーよりも数倍大きく、色が4色ありました。
この4色の色で車検年度を表示し、数字は月のみが大きく表記されていました。
余談ですが、今のビニールフィルム仕様のステッカーとは異なり当時のものは紙仕様でした。
我々自動車業者は車検更新毎に古いステッカーを剥がし新しいステッカーを貼るという作業がありますが、紙仕様は一度にキレイに剥がれず糊跡も残る為に今と比べて面倒な作業でした。

貼り付け位置が変わるとは

今まで車検ステッカーを貼り付ける位置の定めは、前方前面窓ガラスの上部中央または自動車の仕様により運転席から最も遠い位置(助手席側上部)となっていました。これは運転時の視界を妨げる事が無いようにも配慮された位置です。
2023年7月以降は「前方かつ運転者席から見やすい位置」への変わります。
これにより、運転席側の上部右側(左ハンドル車は上部左側)となります。
例外として、「運転者の視野を妨げる場合は、運転者の視野を妨げない前方かつ運転席から見やすい位置」となっています。

貼り付け位置が変わった理由は何でしょうか?
理由として無車検運行を防ぐという理由があるようです。
自動車の使用者が車検有効期間を容易に視認確認できる状態にして、うっかり忘れてしまうミスを減らすものです。
何となく次の車検時期は来年夏頃だったな、等と覚えている方は多いとは思いますが、全くうっかり忘れてしまっている方も多いかと思います。
実際に私達も査定業務でお客様から査定対象車の情報をお聞きする時、車検証がお手元に無い状況で車検期間を月まで正確に覚えている方は少ないです。また、来月車検が切れるので廃車買取りしてほしい、とのご依頼で引取りにお伺いしたら実は来年だった、となり売却中止となったケースも過去にはあります。

運転席側に貼り付け位置が変わっても、見慣れてしまえばいつも注視する事にはならないかと思います。
しかし、車検切れはいつかな?とふと思った時には直ぐに確認出来るようになり、今までよりはうっかり忘れてしまうリスクを減らす事に繋がるかと思います。

参考:国土交通省自動車検査登録総合ポータルサイト

https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/jidousha/kensatoroku/about/inspect/sticker/index.html

無車検運行の危険性

国土交通省の公表資料によりますと、例えば平成30年9月から平成31年3月に全国35都道府県で実施したナンバー自動読取装置での街頭検査では、37403台中43台が車検切れでの運行を行っているという結果となりました。

参考:国土交通省報道・広報資料
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000210.html

この結果より、運行している自動車の0.11%が車検切れという事になります。
この数字は多いでしょうか少ないでしょうか?
公道を走行している1000台に1台が無車検運行となります。
参考までに、東京都の自動車保有登録台数は約300-400万台となっています。

車検切れでの運行の問題点として、まず運行の安全性があります。
車検は道路交通法に基づいて行われる法的な義務となります。
公道を運行するにあたり安全性を確保する為、定められた箇所の法定点検検査が義務付けられています。
例えば制動装置(ブレーキ)に不具合があれば自身のみならず周囲に多大な損害を及ぼす事故に繋がる事は容易に想像がつきます。

そしてもう一つの重大な懸念は、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)が切れているという事です。
自賠責保険は車検時に加入する強制保険です。加入しなければ、前述の法定点検検査を受けても車検有効期間を更新する事ができません。
自賠責保険は多くの場合、車検検査を依頼する業者側で更新してもらいます。ユーザー車検等でなければ、個人で自賠責保険の加入契約だけを保険会社へ申し込む事はあまりありません。
自賠責保険についての詳細は今回は説明割愛しますが、これは主に使用者よりも事故による被害者を救済する目的の保険となります。
手厚い保証を受けるには別途加入する事のできる任意保険が有効ですが、これは強制ではい為に加入していないケースもあります。
そのような自動車による事故が生じた場合、加害者に支払い能力が無ければ被害者は救われず大変な状況となってしまいます。
これを防ぐ為に最低限の保険に加入しなければ公道で自動車運行をしてはならないという決まりとなっています。

車検切れ状態での運行という事は、自賠責保険に加入していないという事になります。
車検が切れていても自賠責保険だけ加入する事は可能ですが、このようなケースはかなり稀であり、車検切れ運行を自覚して行っている悪質なユーザー等ではない限り考えられません。

※車検切れ状態で適正に公道を走る方法として仮ナンバー制度があります。
正確には自動車臨時運行許可という制度で、車検切れ車や廃車手続き(一時抹消登録手続き)を行っていてナンバーが無い自動車を整備工場や車検場に移送する等の限られた目的と日数のみ運行を許可するというもので、仮ナンバー取得時には運行期間をカバーする自賠責保険の加入が必要です。

今回の車検ステッカー貼り付け位置変更に期待すること

車検切れ状態での運行は、道路運送車両法違反の無車検運行となり罰則があります。
自賠責保険未加入の場合には自動車損害賠償保障法による無保険運行となり罰則があります。
無車検無保険車の使用者はその罪と賠償責任を負う事となります。
しかし、多くの適正に自動車を運行する使用者、自動車の近くを歩き生活する我々市民にとっての迷惑は無車検無保険運行車により被害を受ける事です。
自身に何の過失が無くても巻き込まれて身体的経済的な被害を被る事故事件も起きています。

悪意故意で無車検運行する不正ドライバーを減らす事はできませんが、車検ステッカー位置の貼り付け位置が変わった事により、うっかり忘れてしまい重大な事故の加害者となりまた自身も大きな損害を負う悲惨なケースは以前より減るのではと期待します。

また少し今回の主題からは逸れますますが、私個人としては警察管轄のNシステム(ナンバー自動読取装置)と国土交通省が連携すれば車検切れ車の抽出発見は可能と思うので、運転者特定や個人情報、法的整備等の問題もあるかと思いますが進めてほしいと思います。
悪意ある不正ユーザーを厳しく取り締まり、より安全な社会となってほしいと願っています。

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